コロナ感染の影響で、社会には、「ソーシャルデスタンス」という言葉が使われるようになった。社会的距離?なんじゃそりゃ?どうやら「感染を防ぐために、人と人との距離を保つこと、1,5メートルから2メートルくらい」らしい。科学的根拠があるのだろうか。もちろん、厚生労働省のいうことだから、あるに違いない。
調べてみると、「ソーシャルデスタンス」という言葉は、かなり前、「障害者」「人種」などへの偏見を調べるために使われた言葉らしい。それが今では「感染を防ぐための人の間の距離」となった。それでは、「フィジカルデスタンス」のほうが、意味がわかりやすい。
社会的距離という言葉が独り歩きするのはなんだか、かなしい。
コンビニの店員さんが、お釣りをわたすとき、お客様の手をそっと包むようにしてくれた。あれは、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」とマニュアルどおりの「挨拶・あいさつ」よりも気持ちがつたわった。釣銭が落ちないように、買ってくれてありがとうございました、と、店員さんの目と笑顔が言っている(もちろん、形式的なことかもしれないが)。今は、トレイの上にお釣りがのっている。おまけにトレイには「感染予防のため、金銭の授受はこのトレイの上でお願いします」とまで書かれてある。寂しい。
人と人との距離が心と心の距離にまで波及することを防げないのだろうか。
サービスの低下は、プラスチックごみの軽減とかで、有料になったビニール袋も拍車をかける。「ビニール袋はご入り用ですか」「いいです」。商品はテープを張られたまま、台の上に置かれる。客はバックにその商品をつめて立ち去る。「袋はご入り用ですか」「はい」。店員さんはビニール袋に商品をつめてくれる。プラスチックごみの軽減とかいって、それはサービスの低下と直結する。なんだ、これはサービスはお金で買えるのか?
もともとそうか、そういうものか。心のこもったサービスが恋しくなるのは、年をとったということかもしれない。
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